- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/08/30
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 290回
- この商品を含むブログ (248件) を見る
いよいよ本編最後です
引き続きジッド(自分は学生時代ジイドと習った)の『狭き門』をなぞってストーリーが展開されます
読む前に読みたいと思う反面、これで終わってしまうのか・・・と感慨深いものがあり、終わって欲しくないと感じてました
このような感情はホルス・マスター15巻前、吉永さん家のガーゴイル15巻前、卓球場シリーズ4巻前以来です
最後だけあって全ての謎やこれまでに登場した全てのキャラクター、エピソードが登場し、正にラストを飾るに相応しい内容です
最後になぜ遠子が心葉を知っていたのか?という疑問が残りましたが、8章の最後で明らかになります
そして、心葉、遠子、それ以外のキャラクターの結末が鮮やかに描かれてます
5章以降の展開はまさに急展開で、ページをめくる手が進み、文字を追う目が釘付けでストーリーにのめり込みました
分野は違えど、EVER17やSteins;Gateに通ずるものがあります
キャラクター描写と、ストーリーの伏線の回収の巧みさには定評がある。(野村美月Wikipediaより引用)
まさにその通りだと思います
読み終えた後は感動しましたが、終わってしまった寂しさを感じます
全巻読んだ今なら言えます
これは紛れもない名作です
騙されたと思って読んでほしい作品です
残り111冊
以下印象に残った言葉
どうして、誰もみんな、狭き門をくぐらなければならなかったのか・・・・・・。
決めるのは、いつも去るほうなのだ。残されたものが、いくら泣いても願っても、無駄なのだ。
死ぬより辛い苦しみを味わいながら!重ねた罪に押し潰されて息ができなくなっても、行き続けなきゃならないのよっ
真実を見据えることのできる人になりたいと望んだのに、暴かれた自分の弱さにさえ、打ちのめされ、泣き崩れている。
打ちのめされ、抉られ、倒れても、生きている限り変化は訪れる。歯を食いしばり、覚悟を決めて、一歩踏み出せば――。
物語の読み方は、ひとつではない。登場人物の数だけ、別の物語がある。
ぼくはこれから、道化のように、哀しみを隠して笑おう。
ときに幽霊のように渇望し、ときに愚者として決断し、堕ちた天使のように穢れにまみれても、月と花を胸に抱いて、聖地へ向かう巡礼者のように歩き続けよう。