これは大変なことやと思うよ

とある田舎者(90.1%)の戯言です

“文学少女”と神に臨む作家【ロマンシエ】上感想

いよいよ最終章前篇にあたる7巻目です

この巻は心葉と遠子の関係、遠子の過去と家族、さらには流人の過去と家族を中心にジッド(自分は学生時代ジイドと習った)の『狭き門』をなぞってストーリーが展開されます

この作品は心葉が語り部として主人公的なポジションで描かれてますが、“文学少女”というタイトルが示すように天野遠子もまた主人公と言えます
過去6作において天野遠子が余りフィーチャーされずに沢山の謎を残してますが、この神に臨む作家【ロマンシエ】上下を持って描き、作品が完結されるようで、いつもよりかなり一字一句丁寧に詠みました

当たり前ですが上巻だけではまだまだ謎が多く、下巻がすぐに読みたくなります
という訳でブログ書き次第読みにかかります



この状況で4ヶ月も待つのは厳しいと思います(苦笑


残り112冊


以下はネタバレの要素を含むのでスクロール
























印象に残った言葉



















そう、二度と失敗しない!ぼくは井上心葉として、大切な人たちを守りながら生きてゆくんだ!

一番信頼していたはずの人が―絶対に裏切ることのなかったはずの人が―目の前で裏切りの言葉を口にしている。

これまでオレは、天野遠子と井上心葉の物語の、読み手でした。けど、ここから先はオレが書き手になって物語を作ります。

ぼくは、遠子先輩のことをなにも知らない。
知っていたつもりだったのに、知らなかった。

ただお互いが、神という名の理想へ――至高の小説へ辿り着くための、唯一無二のパートナーであればいい。

裏切るのは読者だけじゃない。作家も読者を裏切る。ある日突然、書かなくなったりする。
読者と作家――両者を結ぶ糸は、とても脆くて、細くて、すぐに千切れてしまう。確かな繋がりなんて、存在しないんだ。