これは大変なことやと思うよ

とある田舎者(90.1%)の戯言です

“文学少女”と繋がれた愚者【フール】感想

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)


最早読書感想ブログになっている気もしないでもないですが、読んだ後は個人メモを兼ねてどうしても書きたくなる性質です
自己満足の要素が強いと言われても否定できないので興味のない方はスルーして頂いて構いません(苦笑

3巻にあたるこの話では1巻、2巻では目立たなかった芥川がメインで、そこに心葉が絡んでくるといったストーリーでした
全体のストーリーは武者小路実篤の『友情』の引用となってます

私の力量では3巻はネタバレ無しで紹介するのが難しいので早めにスクロール(苦笑






















武者小路実篤の『友情』(自分は読んだことないけど)と同じく三角関係がメインの話で、愛ゆえに登場人物が哀しみや狂気に駆られて凶行にはしるのが見ていて切なく痛々しいですが、3巻ラストシーンでは説得力ある形で救いが訪れます

ここだけ読めばただのご都合主義に思えるかもしれませんが、きちんと説得力があるのが野村美月の上手さだと私は思ってます

この巻のテーマは過去からの決別にあったように思います
傷つきながらも前に進もうと決意する様は読んでいて迫力を感じました
次巻では心葉のトラウマになった原因がテーマであることを匂わせて終わります
どのような結末を迎えるのかが今から楽しみです

まぁとっくに発売している上に積んでるからすぐに見られるんですが(苦笑


印象に残った言葉

こんなのはもう嫌だ。誰かと深く心を結び合わせて、未来を信じて、それが突然に断ち切られるなんて、耐えられない。


失敗するたびに、人は臆病になり、汚れてゆくような気がする。


断ち切らなければ踏み出せない未来がある。
壊れてみて、傷ついてみて、はじめて知ることが出来るものがある。見えてくる風景がある。心がある。
そのことを、今、ぼくも信じたい。

―ここまでに至るまでの過程は興味のある方には是非読んでいただきたいと思いました

残り116冊